レッシグたんを見に行ってきましたその3 パネルディスカッション2006/03/30 01:30

注)以下は私のメモと記憶に基づいており,正確性は保障できません。また,各発言者がこのように発言したということも保障の限りではありません。

コーディネータ

東倉 洋一(国立情報学研究所副所長)。以下(司会)
パネリスト
  • ローレンス・レッシグ(スタンフォード大学 法学部教授)。以下(レ)
  • 余 爲政(国立台南芸術大学 音像動画研究所長)。以下[余]
  • 長尾 真(独立行政法人 情報通信研究機構理事長) 。以下[長尾]
  • 榎並 和雅(NHK放送技術研究所長) 。以下[NHK]
  • 安田 浩(東京大学 国際・産学共同研究センター教授) 。以下[安田]

最初に質疑応答を行うという構成でした。

[会場]放送とインターネット環境での情報流通の違いは?

[NHK]放送は内容を審議している。そのような手続きを経ないインターネットは放送とは考えない。

どうでもいい質問だったのでうろ覚えです。

[会場](レッシグ教授に)GPLについてどう思うか。またGPL3.0についてどう思うか。

[レッシグ]C.C.はFSFのアイデアに影響を受けている。GPL3.0についてはボードメンバーなので返答できない。

[会場]日本はコピーアットワンスだがBBCは共用しようとしている。

[NHK]権利は守りつつ提供するという調整を取る為にコピーワンスにした。BroadCastingFlagについてはFlagだけでは守られないのではないだろうか。

[レッシグ]BCFについて)
BCFは市場の規模の問題がある。BCFは複雑であり市場規模が小さくなる。

[レッシグ]BBCについて)賛成である。
アナログは保護がなかった。デジタルで権利を狭めるのは良くない。
著作者の報酬,権利者と話し合う余地が生まれる。

質問・回答ともうまく聞き取れませんでした(特にBCF)。
NHKには1.著作者に公開の形態について確認を取っているのか。2.NHKの著作物については公開する用意があるのか。を確認したかったのですが,ここで質問は終わってしまいましたorz

[司会者]NHKとBBCに相手のプレゼンを聞いて相手への質問をして欲しい。

[NHK]BBCの番組公開への取り組みについて敬意を表する(民間への圧迫度への考慮が素晴らしい)。また,参考になる。

[BBC]NHKとBBCには多くの共通性がある。公開は公共益の問題。図書館や博物館との連携が出来るのでは?

[NHK]パッケージメディアは図書館で貸し出せる。教育テレビで深夜に教育用の映像クリップを流している。これは自由に加工して授業に使ってよい。

[司会者]文化の問題を科学技術で解決できるか

[安田]技術者としてはそう思う。ただし,異文化交流まで考えると難しい(例えば戦国時代というときに同じ年代をとるか同じような状態の時代をとるか)。

[長尾]は著作権は独占権である。これを変えていくのにはコンピュータが役に立つのでは。対価をきちんと払うのが重要。広く薄く取れる。支払いのシステムがないことが問題(違法コピーが生まれる)。

[余]技術でアーティストは楽が出来る。また異文化への橋渡しが出来る。

[司会者]文化の発信への手助けとなる技術の可能性

[レッシグ]技術と著作権のポリシーについて,一般の人は法を重く見すぎている。法は天から賦与されているわけではない。
現在の著作権制度が枠組みとして意味があるか。最善の制度への見直しが必要である。
現状では技術がうまく生かされるどのような制度が機能するのかを考えなければならない。

[安田]音楽・文章の文化は技術で見分けがつく。映像に対しては技術があまり貢献できない。
一般の人は映像の技術レベルが低い(技術の高い映像がわからない)から違法コピーがある。みんなが作るようになれば技術レベルがわかるようになり,また自分のものを盗まれる痛みを知り違法コピーをしなくなる。底辺を広げるためにクリエイティブコモンズは有効。

[司会者]今の技術でいまの著作権制度をどのように組み合わせるかどう変えるか具体的にする必要がある。

[NHK]今の著作権があるから二次利用できないというのは違う。契約があるから出来ないだけ。契約による制約がある(テロップのフォントにも権利が生じてしまう)。

[安田]今の著作権者は有能な人の権利を守るもの。だから一般人は関係がないと思っていて盗まれる痛みがわからない。みんなが作るようになれば盗用の痛みがわかる。