増田本論争1@Economics Lovers Live(旧)2006/05/22 20:36

「Economics Lovers Live(旧)」の
書評再掲:『日本型ヒーローが世界を救う』|http://reflation.bblog.jp/entry/288977/
のコメント下部に線を挿入したものです。

せっかくなので,人別に色分けしてみました。ダークサイドは暗く,ヒーローサイドは明るくしようとしてみましたが,上手くいってないようなので,そのうち修正するかも。
2006.5.25

さらに引用やメモ用にidを付けてみました。idのURLはその発言の先頭へのリンクになっています。
2006.6.9


2006/04/14

 先週でました『週刊東洋経済』書評の再掲載でございます。競争的な市場が自由で多様な表現を可能にする、ということを増田さんは主張しています。競争市場を市場原理主義の横暴である、文化とは背反する、と主張される方はこの本でも読みましょう。

 『日本型ヒーローが世界を救う!』増田悦佐 宝島社

評者 田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部助教授)

 著者は『高度経済成長は復活できる』で、戦後日本の高度成長は競争原理が導入されたことの結果であるとし、それが七〇年代以降低迷しているのは効率を犠牲にした都市から地方への再分配政策にあると喝破した。さらに前著『国家破綻はありえない』では財政破綻の危機が数字のまやかしと政府・財務省やその便乗者たちの宣伝活動にすぎないとし、今日の財政再建路線を痛烈に批判した。最新作である本書でも増田節とでもいうべき力強い発言はあいかわらずである。

本書の基本的なアイディアは、日本のマンガをディズニーアニメやコミックを代表とする「アメリカ文化へのキャッチアップ」としてとらえる見解への批判にある。

著者は「アメリカ文化へのキャッチアップ仮説」の典型としてオタク文化の代表的論客といえる大塚英志氏の主張をとりあげて容赦のない批判を展開している。大塚氏を代表とする「アメリカ文化へのキャッチアップ仮説」とは、日本のマンガを手塚治虫とその模倣の歴史と断定し、これらがすべて意図するとしないとにかかわらずディズニーの鋳直しであるとする見解である。そして手塚の時代から今日までアメリカンコミックやアニメが暗黙の目標であり、この目標へのキャッチアップとして日本のマンガやアニメの隆盛をとらえられている

 これに対して著者は、日本のマンガ文化の隆盛はむしろ自由競争の産物であり、アメリカのコミックやディズニーアニメは性表現の抑圧や勧善懲悪を強いる規制の産物であり多様性に欠けていると批判する。さらにマンガ文化は「こども」を消費者として発達してきた日本的市場であり、年齢という「規制」がない文化形態であること、『セーラームーン』や『ドラゴンボール』のような作品にはずば抜けたヒーローを排除する集団主義的な観点があり、正義と悪という二元論的な見方が採用されていないこと、さらには女の子が主人公になるマンガを大量生産してきたことなどを興味深く分析している。

 著者の競争(効率性の追求)が文化の固有性や多様性と矛盾しない、という視点は評者には納得のいくものであった。また最近の手塚治虫再評価にも著者は厳しい視線を投じ、『鉄腕アトム』よりも横山光輝の『鉄人28号』の方が放映時に子供たちの人気が高かった、と指摘し、日本のマンガ文化をディズニーの模倣としての手塚治虫とその後継とする「通説」を否定している。マンガに一家言あれば本書に突っ込みどころは多いだろう。それでも競争こそ多様性を生み出す、というメッセージは経済学と同様にマンガ文化においても無視することはできない重みをもっている。

 このエントリーについていたコメントを私の携帯でみれなくなったために便宜的に一部more…以降に貼り付けました。あいているコメント欄には書きこみ可能ですのでご利用ください。

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Comments

再度掲載します。以下の理由によりこのエントリーのコメント欄には書くことは理由いかんにより禁止します。すでに僕の携帯からだとコメント数大杉栄でこのコメント欄の閲覧ができなくなってしまった…>海法さん、メッw

ここコメントが長いので別なエントリーをすでにたててました。そちらへのコメントをお願いしたのですが松山さんには守ってもらえませんでした。今回新たにお書きになった方々はご存知なかったかもしれませんので新規エントリー

http://reflation.bblog.jp/entry/297718/

をたてて堺さん、田中、海法さんのコメントはまとめて重複しますが一括掲載しました。これ以後のこのエントリーでのコメントはご遠慮ください。 新しいエントリーでお願いします。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/05/20 18:59,id

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すんません。ちょうど書いてる途中で見かけました。リロードを忘れたことをお詫びします。

commented by 海法 posted at 2006/05/20 18:41,id

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お願いしたばかりでまたこの長文のコメント…(ーー;)。

苦言していいでしょうか、投稿する前にモチつけって…。

http://reflation.bblog.jp/entry/297718/

commented by tanakaihdetomi posted at 2006/05/20 18:36,id

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単純な話、競争主義が、多様性を生み出すかどうかは「場合による」ですよね。

以下、すごく単純な原則論ですが。

市場が大きく、一作あたりのコストが安い場合、多様化したほうが「当たり」が出てくる可能性が高いので有利です。今の日本の漫画ですね。一般的な娯楽大作を筆頭にしつつ、様々な実験が試みられ、「次の当たり」を求めて進化してゆきます。

市場が小さくなると、今度はニッチな作品が作られます。数は少ないが確実に買う層に向けて発信する、マニア向け作品です。これら、ニッチな作品は、それなりの多様性がありますが、一方で、マニア向けにしかわからない違いという点で行き詰まり、多様性を無くすことがあります。まぁ深夜アニメとか。

市場が大きくても、一作あたりのコストが高い場合は、外れのない「大衆好み」の物が作られます。典型的なハリウッド映画や、大作指向のコンシュマーゲームなどが、そうでしょう。これらは、競争主義が、多様性を制限する例です。

このへんに加えて、採算度外視の一本の作品が市場を変えたりとかする場合もあり(ゲームとしてのポケモンは、時代遅れのハード上で、半ば制作者の意地で作られた採算度外視の企画でした)、急成長した市場が競争主義に基づく投資、介入で荒らされたりすることもあり。堺さんのおっしゃるような様々な外部要素があるわけで。

そのへんを無視して『日本型ヒーローが世界を救う!』というのは、まぁ、ナンセンスではないかと。

commented by 海法 posted at 2006/05/20 18:29,id

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え~すでに書いたんですが、ここコメントが長いので別なエントリーをすでにたててます。そちらへのコメントをお願いしたのですが松山さんには守ってもらえませんでした。今回新たにお書きになった方々はご存知なかったかもしれませんので新規エントリーをたてて堺さん、田中、海法さんのコメントはまとめてそこに重複しますが一括掲載します。これ以後のこのエントリーのコメントはご遠慮ください。次の私の最後のコメントで誘導先のエントリーのアドレスを書きますのでこのエントリーを最初にみられた方もここに書かずにそちらのエントリーをご利用ください。

では

commented by tanakahidetomi posted at 2006/05/20 18:23,id

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とりあえず

アメコミにおいては、非常に古くから、有名な集団型ヒーローが存在し(FFとX-MEN、JLAは、もっとも有名かつ典型的なアメコミです)、かつ、その有名なタイトルの中で、例えば人種や性別、信条による対立、融和の問題が、象徴的、あるいは直接的に描かれてきたことは、確かな事実です。

松山さんが書かれている通り、クロスオーバーも、その傾向を助長します。それぞれのヒーローに「正義」があり、その「正義」が対立する話は珍しくもありません。バットマンとスーパーマンの、それぞれの「正義」が、ぶつかりあう話は、典型的ですね。

X-MEN、FF、JLAのアメコミの中での売れ行きを考えれば、それらがマイナーな1割ではなく、9割以上の一般的なアメコミ認識であることは保証します。

commented by 海法 posted at 2006/05/20 17:07,id

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おっと失敗しました。

>次に、アメコミがそこにうまく参入できずにいること。

>次に、アメコミが日本のマンガ市場にうまく参入できずにいること。

です。

すんません。

commented by 堺三保 posted at 2006/05/20 15:51,id

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日本のマンガが日本の市場の中では成功したこと。

これは事実なんですよね。

アメリカじゃ、コミックの市場が90年代以降ずいぶん縮んじゃってる。

これも事実です。

次に、アメコミがそこにうまく参入できずにいること。

これも事実なわけです。

でも、日本のマンガやアニメがアメリカの市場で成功してるのか。

これはまだ結論が出てないし、現状、ビジネスとして黒字は出てるけど、一部のアニメを除けば、大成功ってほどじゃないんですよね。そして、日本じゃあれだけの人気を誇った「セーラームーン」と「ハム太郎」はアメリカじゃ負けちゃったという事実もまたあるわけです。

また、アメリカにおけるコミックス産業の興亡(実際80年代から90年代初めはものすごいイケイケだったわけですよ)に関しては、アメコミが9割ヒーローものだからなんていう理由じゃなくて、流通の問題とか、マーヴェルの多角経営の失敗(&投資家による乗っ取り騒動)とか、どっちかっていうと経済的な要因も大きかったりするわけです。特に90年代、ブームに浮かれた各出版社が妙な競争を始めて乱作したことが読者離れを進めちゃったりもしたわけで。

そういうのをひっくるめた上で考えちゃうと、単純に「競争こそ多様性を生み出す」なんて言えちゃう人はお気楽で良いよなあ、と、その業界の一端でメシを食っている人間は溜息まじりに思うのでありました。

commented by 堺三保 posted at 2006/05/20 15:45,id

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いや、だって、

>コミックス・コードが導入されたその理由は「朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことだ」ということで、これ以上説明の理由もないことです。

って、書いておられるでしょ。

そうじゃなくて、

>精神科医がはじめた「悪書追放」キャンペーン

が直接原因なんですが。

戦争マンガが自粛に追いやられるのは、その「結果」なんですよね。しかも、一番の理由は「残酷描写」だし。

逆に、増田氏がどこからそういう論拠を持ち出したのかが、私は知りたいくらいでして。

commented by 堺三保 posted at 2006/05/20 15:05,id

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あと、レッシグの言ってることは「アメコミ嫌いの日本マンガ好き」なアメリカのちょっと知的な人の典型的な発言に過ぎないし、トーキョーポップの社長が日本のマンガをアメコミよりも上に見た発言するのは当たり前ですから、この二人の言ってることをアメリカにおける一般的な議論だと思わない方がいいです>山形さん。

また、アラン・ムーアとかフランク・ミラーとかニール・ゲイマンとかはアメコミ界では大メジャーなんで、そこのところもお間違えなく。マイナーなオルタナティブコミックの人たちはもっと別のところにいるのです。

9割がスーパーヒーローものだからといって、その作品がつまらんというわけでもないというところも、もうちょっと日本と置き換えて考えてみてください。

例えば、少年ジャンプの掲載マンガのほとんどが対決モノかスポーツものなわけですが、だからってここのマンガが全部つまらんってことじゃないでしょう。

いや、アメコミの内容が偏ってて、それによって潜在的な読者層(全女性)を失ってるのは確かですが、だからといって個々の作品も日本のマンガと比べて全然ダメだってことにはならない、というか、それは別の議論なわけです。

というより、日本と違ってコミックそのものの受容度が低いアメリカでは日本のマンガだってアニメだって、世間的にはアメコミと同じ扱いであるという基本的な事実があるわけです、マンガの質とは無関係に。

増田氏の議論は経済的な側面と文化的な側面、さらには歴史的な側面がいっしょくたになったうえで、自分の主張をむりやり展開してるんで、ちょっとどうかなあと思いますね。

ぼくなんかも確かに日本のマンガがアメリカで広まりつつあることには注目してるんですが、それはどっちかというと、硬直していたアメコミの流通を変えてくれるんじゃないかというところにあったりします。

つまり、ここ数年、日本のマンガを翻訳した単行本が一般書店に並ぶようになったのに合わせて、アメコミも単行本を一般書店に置くようになってきてて、あっというまに、それまでアメリカではあり得なかった「マンガ売り場」が一般書店に必ずできはじめたんです。

これが、70年代以前のように、より多くの普通の子供たちがアメコミを読むきっかけになるんじゃないかという気もしているわけです。

問題は、もともと教育にうるさいアメリカの親が、それに対して大バッシングをかけてくる可能性があるってことでしょうか。一番の問題はそこだったりして>アメリカにおけるマンガやコミックの発展。

commented by 堺三保 posted at 2006/05/20 14:57,id

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堺さんどうもコメントありがとうございます。このコメント欄長すぎるので田中の再反論の理解不可能なところはどこかできれば支持していただければ幸いなんですが。それと

<例えば私はミシシッピ大学の出したSeal of Approvalというコミックスコードの歴史研究本を持ってたりするんですが、そこにもワーサム事件を契機とした公聴会を経て出版社が自主規制に踏み切った経緯がしっかり書かれてます>

は別に否定してませんけど?>田中。

取り急ぎ。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/05/20 14:30,id

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あー、参考文献として私の文章も載ってるんで、つい見つけてしまったんですが、松山さんとおっしゃる方が「アメコミに肩入れしすぎている」と感じている皆さんの意見も、私からすれば正直言って「過度にアメコミに対して攻撃的」であると思えてなりません。

私は松山さんのおっしゃってることも、他の皆さんが攻撃するほど事実から外れているとは思いません。

松山さんが議論の進め方がヘタなのと、アメコミに対する愛情の深さが過剰な評価の高さにつながっていて、他の人の同意とか共感を得にくいだけで、増田氏の原稿の事実部分についての間違いの指摘は、松山さんの言ってる通りだと思います。

特にコミックスコードの話は、松山さんならずとも「はあ?」てなもんでしょう。

例えば私はミシシッピ大学の出したSeal of Approvalというコミックスコードの歴史研究本を持ってたりするんですが、そこにもワーサム事件を契機とした公聴会を経て出版社が自主規制に踏み切った経緯がしっかり書かれてます。

田中さんの再反論のほうこそ、何言ってるのか、私にはよくわからんです。

単純に増田本は個人の思いこみの産物なだけなんですよ、ありゃ。

私からすれば、増田氏の主張の日本のマンガに対する高い評価は、「それはそれで「贔屓の引き倒し」でしかないじゃん」って感じなもんです。

ビジネスとしてのアメコミ出版の衰退は事実ですが、その分過去の遺産としてのキャラクターが映画やテレビで儲けてくれてたりするというのも事実だし、一方で、日本のアニメやマンガのアメリカにおける受容を常に大きく報じがちな日本びいきの文化人たちにも一時期アニメ製作の現場にいた人間としては、正直ウンザリさせられるとしか、私には言えません。

「競争的な市場が自由で多様な表現を可能にする」という増田氏の主張はしごくごもっともなんですが、具体的な部分は恣意的に自分の主張に都合のいい例だけをピックアップしてるだけのような気がするので(ま、実はそこんところは、大塚英志氏の著作とも共通するわけですが)、あまり鵜呑みにされてもなあと思います。

アメコミが好きなのはもちろんですが、当然日本のマンガが好きで、アニメの仕事もしていた身としては、あまりにも強い身びいきは、それはそれで気持ちが悪いし、日本文化のためにもならないという気がします。

最近のジャパニメーションやマンガに対する妙な高評価は、80年代初めの「ジャパン・アズ・ナンバーワン」のかけ声の、今思い返すにいかに浅はかであったかということの、繰り返しではないかと。

まあ、もうちょっと両陣営とも冷静になればってことです。

乱文多謝。

commented by 堺三保 posted at 2006/05/20 14:24,id

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 では放置という山形さんの助言に喜んで便乗したいと思います。また最後っぺみたいに松山さんが増田さんの人格攻撃を懲りずにまたしているようですのでこれはコピペを保存した上で削除しますね(ほかにもなにか書いてるようだけど読む気しないので読んでません)。もし削除したのをみたい物好きな人がいれば僕あてに請求してください。ただしmixiで。では。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/25 22:01,id

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もう放置でよいのではないでしょうか。新しいネタが出てこないなら続けても意味がありませんし、もう読者も読まないでしょう。松山氏の最後のかきこみは、正直何を言いたいのか、さらにそれが議論と何の関係があるのやらさっぱりわかんなかったし、わかる努力をしてあげる気にもならなかった。もうみんな読まないと思います。

松山氏の一連の発言もそれなりに有意義なものであったとは思います。1990年代半ば以降はアメコミに新しい展開が出ているのかもしれない、という可能性(これまでのアレから、松山氏の発言を鵜呑みにするわけにはいきませんが)は、心にとめておくべきだとは思います。同時にそれがリービー氏もちょっと指摘しているように、日本のマンガ流入の影響もあるんじゃないか(つまり日本型ヒーローはアメコミも救うかも!)、という点もあわせて留意しておこうとは思います。

結局のところ、ぼくも含めて多くの方は、松山氏ほど真剣にはアメコミを愛してはいないのです。「そういうのもあるね、まあ半年に一度くらい電話で話す程度のお友達でいましょうか」くらいのものなのです。真剣に愛する方の目から見れば、それは十分にそのよさがわかっておらず、不当な扱いをしているのだ、と映るのでしょう。それはそれである程度の真理を含んではいるのでしょうが、問題はその「ある程度」がどの程度か、ということではあります。愛はまた空間を歪め、知覚を歪曲し、さらには情報処理をも偏向させる悪霊でもあるのですし。

commented by 山形 posted at 2006/04/25 16:44,id

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 やはり議論の前提が理解できてないようです。またご自身の「捏造」の弁明(釈明?)なく書かれるのはどんなものでしょうか?

私は増田氏の引用をしたわけでして、それを松山さんが正確ではない、意固地になっているという主張でした。正確さは引用ですから疑いようもなく、また増田氏の引用を使って私がいいたいことも

引用:「コミックス・コードが導入された理由は、精神科医がはじめた「悪書追放」キャンペーンではなく、朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことだ」

コミックス・コードが導入されたその理由は「朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことだ」ということで、これ以上説明の理由もないことです。

 むしろ増田本から引用めいた表記をしたり、要約しただけの文章を、田中引用文よりも説明もせずに正確である、と断言する松山さんの手法を私は問題視しているわけです。こういうのは議論の前提ですよ、松山さん。議論の前提を共有しない人がだらだらブログに書いているのをいつまで許容しなくちゃいけないか、松山さん以外のギャラリーに聞いている途中で、また松山さんがご登場いただいたわけで苦笑を禁じ得ません。まさに2ちゃんえるスタンダード、自制心なしですねw

申し訳ないですが、さきほども書きましたがもう脳内で処理されたらどうでしょうか?

ちなみに今回の書き込みも見事な倒錯ぶりです。私は松山さんの「要約」(=引用形式を語った捏造)が先のコメントで引用句である私の説明よりも正確である、という松山さんの理由の明示のない断定を問題視しているわけです。

今回の書き込みでそれなりの説明を読みました。勧善懲悪という要素をコミックから捨てたくなかったので自主規制に踏み切った、ということは少しも陰謀ではないですが? 勧善懲悪の領域が判然としない厭戦コミックが広まることを自主規制で排除しようとする動機をもったということ自体はありうることでしょう。増田さんの説明で不十分であるとか歴史的事実と違うということはあるかもしれませんが、いきなり「陰謀」と断定はできません。松山さんは歴史的な証拠もなく、また説明の不十分性をつくことなく、ご登場第1回目からこの話を「陰謀」と断定しています。それにはつきあいきれません。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/25 15:54,id

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>tanakahidetomiさん

「コミックス・コードが導入された理由は、精神科医がはじめた「悪書追放」キャンペーンではなく、朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことだ」

そもそもこれだけだと「朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたこと」と「コミックス・コードの導入」がどう関連しているのかがさっぱり分からないんですが。ただ一部を直接引用しただけでは増田氏の主張を正確に説明することはできず、これこそ「フェアな引用」とはいえませんね。

P.290「しかし、なぜ出版社までが自主規制の導入に動いたのだろうか?」

中略

P.291「なぜか?自分達の業界の消長以上に「大切で崇高な目的」のために、ある程度までは市場の縮小さえも甘んじて受け入れたということだ。そして、その大切で崇高な目的こそ、勧善懲悪思想の刷り込みだった。」

中略

「もちろん、知識人は、「戦争では味方から見れば正義だが、敵から見れば悪魔の所業といったことがひんぱんに起きる」ことぐらい百も承知だ。しかし、それは、あくまでも知識人同士のあいだで知っていれば良いことで、大衆にまでそんなことを知らせてはいけないのだ。」

これらの増田氏が「アメリカン・コミックスの倫理要綱は、朝鮮戦争が招いた」の項(P.287からP.293まで)で述べた事を読解し増田氏のこの項での主張は「コミックス・コードが導入されたのは、精神科医が始めた「悪書追放キャンペーン」が理由ではなく、朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことにより大衆に厭戦的な思考が生まれるのを恐れた知的エリートであるアメコミ出版社の経営者達が大衆に勧善懲悪思想を植え付けるためだ。」であると私は解釈しました。この解釈が間違っており捏造、創作だと言われるのであれば私の解釈のおかしい所を指摘し、上に上げた引用文から本当は増田氏はなにを主張したいのか、またコミックス・コードの導入と厭戦的なコミックスの出版はどう結びつくのかを説明してください。「絶対的な解釈は無い」、「慎重な解釈が必要」等の言い訳で逃げないでくださいね。

tanakahidetomiさんの解釈をお聞かせください。

この本の評価に関しては「駄作」と評するか、「怪作」と評するかはもう人それぞれの主観の問題になるのでこれ以上言及しませんが、私がこちらで挙げたこの本のおかしな所はあくまで一部にすぎません。全部挙げていけばたぶん本一冊分くらいにはなります。このことは頭に入れておいてください。

commented by 松山 posted at 2006/04/25 15:12,id

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 増田氏の発言を「捏造」もしくは「創作」して私の意固地性を批判されたことに大ウケしてしまい、もうこれで放置しようかとも思いましたが、若干、整理して終りにしたいと思います。

 まず増田氏のアメコミ観もそう悪くはないじゃないの、例外は先鋭的な例を含めていろいろあるけれども市場の特性(専門店化)を考えると特殊な内容のものを販売していることはほぼ間違いないから、その特殊の内容とは何かをめぐる議論で、集団性だとかなんとかが議論されているのだな、ということではないかと思います。

 松山氏の増田本への評価は、アメコミ観が松山氏からみて許しがたいために本全体を否定する、という態度でして、まあ、これも作品批評としてはどうぞご自由にwという程度の話でして、それが人格攻撃や「捏造」あるいは「創作」あるいは…などを含まないかぎりなんの問題もありません。好き好きの問題でしょう。私を含むITOKさんや山形さんはそんなに基本的に悪くないから細かいことは目をつむれや派ともいえます。あるいは細かいところもそんなに悪くない派ともいえます。で両者の調停もありえたのですが、どうも増田本の引用の「捏造」をもとに意固地批判をされるようですとこれはもう調停の範囲を超えていると思いますので以後は削除も面白くないので私は放置で終りにしたいと思っております。

 ま、松山氏のが「捏造」とかではなく、増田本の直接の引用よりご自分の要約のほうが増田氏の真意を伝えているという本家返しの可能性もありますが、それを行うには慎重な解釈が必要ですし、間違っても自分の要約を絶対視して本家引用をした人=田中を意固地批判してはいけません。せいぜい引用が適切か適切でないか、自分の要約はどの程度正しいのか、に議論を限定すべきものです。

 松山さんの議論の仕方はまあこういっては申し訳ないですが、典型的な2ちゃんねら の手口でして、少々の証拠(アメコミの例証でのいくつかの反証)に基づく大胆な結論(増田本は全部だめ、さらに増田氏は意図的に捏造)という論法でして、それは今回の私への意固地批判wにもみられるようです。

 簡単にいうと、論証の作法に欠けると判断しました。ただせっかくの増田本の話がだらだらとここまできてますから、だらだらしてもいいかな、とここらへんまだ決心つかない部分あります。みなさんのご意見を多少おうかがいしてこの方とこれ以上議論するのが有益かどうか判断したいと思います。本来ならばどこからかコピペもってきて貼って終りにしたいところですが、僕もとりあえず最近年をとったのでそんなことは自制しときますね。

 あと直近の松山さんのコメントでまだ返事を書いていないところがありますが、これもまあ繰り返しになるので放置させてもらいます。

以上です。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/25 12:07,id

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>松山さん

映画のアナロジーで言いますと増田本は怪作(石井輝男?w)になるかと思います。

私の松山さんに対する意見は新エントリ(『日本型ヒーローが世界を救う!』補遺)の方に投稿しました。

http://reflation.bblog.jp/entry/291278/

松山さんの最新投稿を読む前に投稿したものですが、そちらも含んでいると考えております。

よろしければ、ご覧ください。

(てっきりコメントも移行するものと思っていたのであちらに書いてしまいました。テラハズカシス)

commented by ITOK posted at 2006/04/25 09:42,id

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松山さん、だめですよ捏造はw。僕の

「コミックス・コードが導入された理由は、精神科医がはじめた「悪書追放」キャンペーンではなく、朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことだ」

は増田本からの直接の引用。

松山さんの

正確には「コミックス・コードが導入されたのは、精神科医が始めた「悪書追放キャンペーン」が理由ではなく、朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことにより大衆に厭戦的な思考が生まれるのを恐れた知的エリートであるアメコミ出版社の経営者達が大衆に勧善懲悪思想を植え付けるためだ。」

は松山さんの要約でしかありません。そして厭戦思考が生まれるのを恐れていたかどうかと、勧善懲悪思想を植えつける行為とは一義に結びついているかどうかは、松山さんの「創作」です。そしてこの「創作」がへんなのはご自身が自ら後段で書かれている通りです。

よそうよ、もうこういう「創作」はw。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/25 07:01,id

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>tanakahidetomi さん

私も繰り返し申し上げますが私は増田氏のテーマを元に問題のある部分を修正していくという行為を否定していません。ただ、それとこの本の評価は別問題だといっているのです。

例えば素晴らしいテーマを描いた映画があったとします。しかしその映画が俳優の演技が下手糞、脚本も駄目、演出も駄目、映像も全然駄目だったらどんなにテーマが良いといっても映画としての評価は駄作ということになります。その映画のテーマはそのままにより完成度の高い映画を作ろうとするのはいいですけどそれで元の映画の評価が変わるわけではありません。

>一例での反例も松山さんのはソースがない(自分の思い込みだけ)

ここで言うソースとは「アメコミに集団ヒーローが存在するソース」という意味ですか?それならtanakahidetomiさんもFantasticFour等の事はご承知のはずですからわざわざ出す必要も無いと思いますが。

>増田氏のいう日本での集団主義の特徴についてはヒーロー、非ヒーロー、善悪の境界の曖昧と混在、性の領域の混在曖昧などである。

つまりこれらの特徴は日本のマンガ・アニメ独自の特徴であり、アメコミにはこれらの特徴を持つ集団ヒーローは存在しない、というのが増田氏の主張だというわけですね。しかしこれでも事実に反しているのに変わりないですね。マーヴルのX-MENはサイクロップス、ウルヴァリン、アイスマン、ナイトクローラー、コロッサス等の何十人というヒーローがいる大集団のヒーローチームでありジーン・グレイ、ローグ、ストーム等の女性ヒーローもいます。また彼らは必ずしも一枚岩ではなくお互いの反目、仲たがい等は日常茶飯事です。

敵のマグニートーも絶対的な悪ではなく彼なりの正義を持ち、時には敵であるX-MENと協力することもある人間的な魅力を持ったキャラクターであり、増田氏の主張する「ただただ悪事だけを追求する人間的な魅力が全く無いアメコミの悪役」とは全く矛盾した存在です。

詳しくはこちらhttp://ja.wikipedia.org/wiki/X-%E3%83%A1%E3%83%B3/

増田氏の主張が正しいのならばX-MENの存在は有り得ません。しかしX-MENが存在するのは事実ですから増田氏の主張は間違っているということになりますね。

>増田の主張は、「コミックス・コードが導入された理由は、精神科医がはじめた「悪書追放」キャンペーンではなく、朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことだ」というのが主張であり、陰謀論などというものではまったくない。

これは増田氏の主張を正確に書いたとは言えませんね。

正確には「コミックス・コードが導入されたのは、精神科医が始めた「悪書追放キャンペーン」が理由ではなく、朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことにより大衆に厭戦的な思考が生まれるのを恐れた知的エリートであるアメコミ出版社の経営者達が大衆に勧善懲悪思想を植え付けるためだ。」です。P.290、P.291をちゃんと読んでください。

冷静に見るとこの主張がなんかおかしいことに気づきませんか?厭戦的なコミックスを出版していたのはコミック出版社の経営者達なわけで、彼らは大衆に厭戦的な思考が生まれるのを恐れていたのに厭戦的なコミックスを出版していたということになり意味不明です。

そもそも小野氏が主張しているのは「コミックス・コードが導入される以前には戦争の苦しさを描いたリアルな戦争マンガがアメコミにはあった。」という事だけであり、それをコミックス・コード導入の原因であるとしさらにアメコミの経営者達が大衆に勧善懲悪思想を植え付けようとしていたなどという増田氏の主張は全くソースのない思い込み、論理飛躍以外の何物でもありません。tanakahidetomi さんは私の主張を思い込み、論理飛躍と批判しますが、なぜ増田氏のこんなあからさまな論理飛躍を無視するのか私には理解できません。

tanakahidetomi さんは私に「好きなアメコミを批判されて意固地になってるだけ。」と仰いましたがそう言うtanakahidetomiさんこそ敬愛する増田氏とその著作を批判されて意固地になってるだけではないんですか?

commented by 松山 posted at 2006/04/25 04:34,id

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あとあまりにも大筋の読解態度というか論議研究法が奇妙なのでそっちばかり批判しましたが、松山さんの増田本の要約も増田氏にとってフェアなやり方で引用されているわけではありません。すでに小野本の読解に関連したり、コードの緩み論に関連してITOKさんが増田本から適切な引用を行っていますが、それに加えていうならば、1)日本の集団主義の採用は松山さんの書いたようなヒーロー同士の交流を意味していない、そのためアメコミの集団ヒーローもの(ファンタスティック・フォーなどやクロスオーバーの事例)を持ち出しても増田本への反論にはならない。増田氏のいう日本での集団主義の特徴についてはヒーロー、非ヒーロー、善悪の境界の曖昧と混在、性の領域の混在曖昧などである。2)朝鮮戦争陰謀論?のようなことは書いていない。むしろ小野『アメリカコミック大全』を引用して小野の主張と補完的な解釈を提起しているともいえる。すなわち小野ではコード導入以前には朝鮮戦争や戦争自体をリアルかつ「明白に作者がいいたいことを持っている戦争マンガがあった」(小野本)が、それがコード導入以後に消えた。増田の主張は、「コミックス・コードが導入された理由は、精神科医がはじめた「悪書追放」キャンペーンではなく、朝鮮戦争を素材にした厭戦的なコミックスが出版され始めたことだ」というのが主張であり、陰謀論などというものではまったくない。

 つまり松山氏の批判は増田本の主張をうまく解読していない反論であると思う。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/24 09:16,id

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>松山さん、増田本のテーマも経済学的思考も増田本の重要な、というかそれがないと本でさえないわけですよ。なにか論文を書いてテーマや接近法が面白いけれども採用した例示や証明の仕方に問題があればそれを改善していくのは通常どんな学問でも行われていることですよ。それを否定してはまったく研究は意味をなしません。つまりその作業を否定するということは常軌を逸しているというだけです。この点で松山さんが不満や反論があるならばそれはご自分で消化してもらえないでしょうか? 

また同じことの繰り返しですが、一例での反例も松山さんのはソースがない(自分の思い込みだけ)、さらに参考文献の読みもITOKさんや山形さんが指摘したように増田さんの解釈も成立する、というだけでそれを否定する論証ができたとしても、増田さんの人格攻撃にはなりません。それでは自分の解釈と違う人間はみんな人格が問題である、といっているようなものです。この点をあくまで主張されるなら常軌を逸していると思いますので以後は削除させていただくことにしますね。

それと横レスですが、ITOKさんの主張はコードが緩和あるいは無視したから多彩な表現が可能になったというならまさに増田本の主張どおりということで、その点を松山さんが全然気がつかれない、ということです。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/24 02:41,id

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>tanakahidetomi さん

前にも書きましたが私が最初から問題にしているのは増田氏のテーマでも経済学でもありません。それが正しいか正しくないか、私が理解しているか、理解していないか等は問題にしていません。私が問題としているのはこの「日本型ヒーローが世界を救う!」という本自体です。

この本はそのテーマ性を考慮してもあまりにも事実誤認や無理がある論理展開が多すぎて評論本としては失格でありトンデモ本だと言っているのです。 tanakahidetomi さんやITOKさんや山形さんはこの本の増田氏のテーマだけをそのままに細部を変えればいい、と言いますがそれはもうこの「日本型ヒーローは世界を救う!」とは別物です。別物を根拠にこの本を擁護しても何の意味もありません。

>集団型ヒーローはいない、という増田さんの一般化は集団型ヒーローがいる、という事実と矛盾しませんから一般化の正当性を批判する際の「事実の誤認」かどうかは論証次第。さらに「故意に歪曲された可能性」については松山さんの証拠は一切ありません。ですのでただの論理飛躍の人格攻撃です。

増田氏はアメコミでは集団ヒーローは一般的ではない、とは言っていません。

P.50

日本のマンガ・アニメを貫いて、「ヒーローはたったひとり」というアメリカン・コミックスの絶対的な制約を軽々と突破するヒーロー像が続々と輩出した。

増田氏は「ヒーローはたったひとり」がアメコミの絶対的な制約で集団型ヒーローは一般的じゃないどころか存在すらしていない、と主張しています。存在していないという主張なら例外を1つ出せば反証には十分でしょう。実際には1つどころじゃないですけどね。また、故意でないとするなら参考文献の内容すらろくに把握していないという事でどちらにせよ評論家としての姿勢を疑わざるおえませんね。

>ITOKさん

増田氏によればコミックス・コードの形骸化は90年代半ばでありそれは日本のアニメ・マンガによってもたらされたとのことですが、それは正しいとは言えません。

1986年には「BATMAN DARK kNIGHT RETURNS」、「WATCHMEN」といった非常に暴力的で勧善懲悪ではない内容の作品が出版されていますし、それよりも前の1970年には「グリーンランタン&グリーンアロー」というスーパーヒーローが人種差別・貧困といった社会問題に直面する作品が出版されています。詳しいことは山形さんが紹介した堺三保氏のアメコミ事情のアメコミの歴史に載っていますが、これらはコミックス・コードを守っていては到底誕生しないものです。

コミックス・コードの形骸化が正確にいつごろか、というのは私にも分かりませんが少なくとも増田氏の言う90年代半ばではなく日本のアニメ・マンガのおかげでもないでしょう。

commented by 松山 posted at 2006/04/24 02:07,id

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私が2006/04/22 17:54にポストしたコミックコードが 緩くなる→多様性をもたらす という話は コミックコードの形骸化→活性化 という形で増田本に書いてありました^-^;)。

>山形さん

コミックコードが90年代半ばから形骸化されているという話が増田本P.294~にフレディリック・ショットの本(「ニッポンマンガ論―日本マンガにはまったアメリカ人の熱血マンガ論」フレデリック・L. ショット,マール社、1998)を引用して書いてあります。

>松山さん

山形さんが再三指摘されているように、全体としてどうかという話であって、これは質の高いものがあるという事象と矛盾しません。

私の引用したものが噛み合っていないと仰るのですが、全体として“質”が高いのであれば部数が“落ち込む”という現象がわからないのですが。

(“落ち込む”ということから、“質”が読者に知られていないということを排除できます)

commented by ITOK posted at 2006/04/23 10:05,id

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松山さん、自分の主張に意固地になっているだけじゃないですか? 

まず

●<数値の大小ではなく具体的な反論をお願いします>ということですが、数値の大小は具体的な反論以外のなにものでもありません。

 このことは松山さん自身が増田本にも書いてあるとおっしゃっているように、彼の本の核心部分のひとつです。私は松山さんは自分の考えに意固地なだけの人と断定しましたが、それに加えてまず増田本の中に展開されている経済学の初歩的な見方を十分に理解していない=増田本の批判者として失格である、と理解しています。

 私はある意味、ひっかけてましてわざわざ価格に反映された「質」とことわっています。もちろんこの情報が誤まっている場合、不十分な場合が存在しますが、松山さんのようにこれが具体的でもなければ、また「質」を表現する資格がない(仮に「悪貨が良貨を駆逐する」ケースならばさらに増田本の主張は信憑性をますことに注意)などとは断言できないはずです。

 この点が理解できないまま増田本や私の書評を読まれても無駄です。増田さんはエコノミスト、私の書評は「おたくの経済学」w向けであって、自分の考えを経済学を利用して相対化するパスを認めない人向きではありませんよ。謙虚な教養を求める姿勢が必要だと思いますが(だって松山さんは増田本の主張である競争原理主義の肯定は評価するといいながら、その主張の意味を理解していないから学ぶべきものは重大かつそれをしないままの増田本批判は深刻な過誤です。)、松山さんからは自分の個々の作品への思いからくる過剰な一般化しか感じないんですよ。

●松山さんのあげたソースについて

松山さんの議論はいまだに意味不明ですが

1 市場は規模が小さく、衰退ぎみ

2 内容は実に多様・多彩

3 コード問題は深刻なものではない

ということですよね。「品質を表す価格の帰結としての数量」を否定する、という松山さんの立場からすると、100ちょっとの個々の作品の個人的解釈のソースはいったいなにを論証しようとしているものなのでしょうか?

●<アメコミには集団型ヒーローが存在しない等は解釈の違いではなく明らかに事実の誤認です。またそれが故意に歪曲された可能性があることも書いたはずですが。>

この点も繰り返し山形さんやITOKさんから指摘されていますように、集団型ヒーローはいない、という増田さんの一般化は集団型ヒーローがいる、という事実と矛盾しませんから一般化の正当性を批判する際の「事実の誤認」かどうかは論証次第。さらに「故意に歪曲された可能性」については松山さんの証拠は一切ありません。ですのでただの論理飛躍の人格攻撃です。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/23 08:35,id

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すいません。途中で送信してしまいました。

欠陥車を量産する会社はその信頼性を疑われるのは当然でしょう。私の考えは間違ってますか?

>増田氏のもそれを支持する私も(松山さんと)解釈の相違 >が存在するだけで話でして、基本的に事実の歪曲という過 >剰な表現とは無縁なはずです。

アメコミには集団型ヒーローが存在しない等は解釈の違いではなく明らかに事実の誤認です。またそれが故意に歪曲された可能性があることも書いたはずですが。

commented by 松山 posted at 2006/04/23 04:24,id

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>tanakahidetomi さん

>市場で需要されていない、ということは端的に価格で示さ >れる「質」が劣るということです。

ようするに「日本の漫画は売れてるから質が高い。アメコミは売れていないから質が低い。」という事ですか?

この本の冒頭に似たような事を言った人が出てきましたよね。曰く「アメコミは世界中のコミック市場で30%のシェアを持っている。だから日本でアメコミが売れないのはおかしい。」これに対して増田氏はどうコメントしていましたか?

たしかに売れているものにはそれなりの魅力があるのは確かですがそれが必ずしも質の高さを意味しないし、売れてないものが売れてるものより質が低いとは限らないでしょう。

増田氏がしているようにアメコミの質が低いというのなら、

数値の大小ではなく具体的な反論をお願いします。

アメコミの質が高いというソースが無いとの指摘は仰る通りでした。すいません。

http://www.planetcomics.jp/cgi/database.cgi?cmd=s&sc=all

こちらにアメコミの名作・傑作のレビューが数多く載っています。参考にしてください。

>松山さんのコメントには不可思議なところが多くあります
>ね。増田氏の解釈に問題があるという指摘が、いつの間に
>か事実の誤認から事実の歪曲へ、さらには信頼性から人格
>の問題へと論理的なつながりを無視してただエスカレート
 >しているだけですね。

?私はこの本のあまりの事実誤認の多さ(しかもその中には故意に事実を歪曲した疑いがあるものもある)からろくに事実検証もせずに本を書く増田氏の人格を疑ったのです。それがそんなに非論理的ですか?欠陥車を量産する会社は

commented by 松山 posted at 2006/04/23 04:13,id

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それとコード問題が存在するために、アメコミの市場がマニアにしかわからない専門店中心の形態に移行していったのではないですか? そして専門店中心市場が過大な取引コストをうむために次第に市場が縮小していったことは共通理解と思いますよ。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/23 03:55,id

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同窓会のためお返事遅れました。

松山さん、簡単にいうとあなたの主張はすべてあなた個人の評価でしかなく、増田氏を含めて山形さん、ITOKさんがソースを指摘しているなかで、あなたはソースの指摘を欠落したまま個人的な見解と過剰な人格攻撃を叫んでいるだけですよ。

 しかも事実を歪曲とありますが、これもおかしな話で、増田氏のもそれを支持する私も(松山さんと)解釈の相違が存在するだけで話でして、基本的に事実の歪曲という過剰な表現とは無縁なはずです。

 直近のITOKさんのコメントも小野本を増田解釈のように読める可能性があることを指摘しているわけで、まさに小野本にはアメコミの「質」が劣る可能性を示唆している箇所があるということですよ。

 松山さんのコメントには不可思議なところが多くありますね。増田氏の解釈に問題があるという指摘が、いつの間にか事実の誤認から事実の歪曲へ、さらには信頼性から人格の問題へと論理的なつながりを無視してただエスカレートしているだけですね。

「質」の問題ですが、すでに書いたのにわかってもらえてませんが、市場で需要されていない、ということは端的に価格で示される「質」が劣るということです。経済学の基本認識を前提にしてくださいませんか? 松山さんだけが個人的なソース欠落と、経済学の前提認識欠落のまま議論しているだけなんですよ。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/23 02:34,id

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>ITOKさん

なんかまた話が噛み合ってない気がするんですが。

そこに書かれているのはアメコミの売上げが落ちているということ、そしてアメリカではアメコミがほとんど読まれていないということでしょう。それは事実です。

しかし私が再三に渡って述べているのはアメコミ自体の質についてです。私は現在出版されているバットマンやスーパーマン等を読んでその内容は非常に面白く日本の漫画と比べても何等遜色もない、と感じました。たしかにアメコミはアメリカでもマイナーな文化で市場も小さいのは確かですがそれは質の低さを意味しないのです。

そもそも増田氏自身がアメコミの内容面を批判しているでしょう。そしてそれが出鱈目だらけなのは先に述べた通りです。

commented by 松山 posted at 2006/04/23 01:53,id

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書き落としていました^ ^;。

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(アメリカのマンガの分類の部分で)P.17

90年代後半にはスーパーヒーローものコミックブックの売り上げは(一時的に数百万部も出た時もあったにせよ)、十数万部に落ち込んでしまうのだから、とてもメイン・ストリームとはいえない。

いまもむかしも、最も多くのアメリカ人の目に触れているマンガは、やはり「ピーナッツ」や「ブロンディ」「ディルバート「ガーフィールド」などの新聞連載であり、この分野が、実質的なメイン・ストリームであり続けている。

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commented by ITOK posted at 2006/04/23 00:43,id

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アメリカン・コミックス大全(小野耕世,晶文社,2005)を買ってきて読んでみましたが,山形さん紹介の,リービー氏,レッシグ氏,堺三保氏の見方とさほど変わりません。

以下、関係のありそうなところを引用しておきます(漢数字は算用数字に改めました)。

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■ディビット・マッツーケーリに対する2000年12月7日のインタビュー(同書P.311~)

(日本のマンガについて)P.312

マンガで扱う内容がとても多様で、マンガを読む人口が多いこと。アメリカ人はあまりマンガを読みません。

(社会的な表現について)P.321

フランクミラー以後、ライターや画家たちは

でもよく考えてみると、ケープをひるがえしたファンタジーの存在であるバットマンが、そうした現実問題を本当に解決できるはずはない。ここに矛盾が起きた。

(略)

フランク・ミラーは確かにスーパーヒーローコミックスに新機軸をうちたて、深味を加えたかもしれないが。同時にこのジャンルを殺してしまったのかもしれない・・・・・・。

(オルタナティブ出版の動向についての文脈)P.326

いま、アメリカでは、むしろこういった(日本でいえば「ガロ」的な)、マンガ全体の読者数では一割程度であろうアーティスティックなコミックスのほうが、相対的に元気で、主流であるスーパーヒーローのコミックブックは、今とても落ち込んでいて、「Xメン」など、コミックブック以外の映画化の成功などで、なんとか業界を維持しているのが現状です。

(出版社がコミックブックに対する投機熱をあおったことについて)P.327

それは実際には根拠のないはなしだったから、そのバブルもはじけてしまった。コミックブックの売れ行きは、「Xメン」でも10数万に落ち込み、メインストリームのコミックブックのキャラクターたちの映画化やゲームなど、他のメディアでの展開でなんとか支えられている。

(原文では漢数字)

■インタビュー以外の部分

(アメリカのマンガの分類の部分で)P.17

90年代後半にはスーパーヒーローものコミックブックの売り上げは(一時的に数百万部あったにせよ)

(マーブル・コミックスが1998年に会社更生法適用を申請したという部分で投機熱をあおる方針の批判に引き続いて)P.225

スーパーヒーローもののコミックブックの売り上げは全体として急降下し、「Xメン」でも15万部、あるいはそれ以下に落ち込んでいた。DCなど他社も同様で~

P.472

先日、デンマークから日本のマンガ研究に来ているジェフ・フリードマン氏と話す機会があった。「ぼくは日本のオルタナティブ・コミックスに、特に関心があります。」と彼は言う。「気がついたのですが、アメリカやヨーロッパでは、主流マンガとオルタナティブ・コミックスでは、読者層がはっきりわかれていて、アメリカでいえば『マウス』の読者は『スパイダーマン』なんか読まない。でも、日本はおもしろいですね。ふたつの境界があまりはっきりしていなくて、マンガ好きは、両方とも読んでいるのですよ」

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ここに描かれている状況から(2005年11月20日出版)現在では劇的に状況が変わっているのでしょうか?

引用はしませんでしたが,出版社が権利を押さえていること,大当たりするシリーズを作り出しても作者への還元があまりないことなども書かれていて,隆盛を誇っている印象は受けませんでした。

commented by ITOK posted at 2006/04/23 00:34,id

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>山形さん

私は「増田氏がアメコミを貶してるから人格が疑わしい。」などとは一言も言ってません。増田氏の著作には多くの不備があるからその人格が疑わしい、と言っているのです。決して無根拠に批判しているのではありません。そもそも本を書くにあたって内容の事実関係を確認するのは常識でしょう。

もちろん人間ですから間違いや見落としがあるのは仕方ないですが、一章丸ごと間違いだらけというのは常識が欠如していると思うしかないです。

それにおかしいのは参考文献として引用されている「アメリカンコミックス大全」の中に「X-MEN」や「Fantastic Four」のことも書いてあったはずなんですよね。だから増田氏がアメコミに集団ヒーローが存在しないと認識してるのはおかしいんですよ。これは増田氏が参考文献すらろくに読んでいないボンクラか、自説に都合の悪い事実を隠す詐欺師かのどちらかと判断せざるおえません。

後、そこの堺三保氏のアメコミ事情ですが90年代前半までの事をおおまかにしか書いてないんですけど。すでに現状にはそぐわない部分もあります。(古いストーリーを読むには古本を買うしかないとか、単行本にはならないとか。)

前も書きましたがスーパーマン、バットマン、スパイダーマン、X-MEN等のアメコミの中心であるヒーローもの自体がすでに「勧善懲悪のヒーローもの」ではなくなっているのです。すでにアメコミの9割が日本の漫画の平均的な内容とそう変わるものではないんです。たしかにアメコミにはつまらない作品も多いですがそれは日本の漫画につまらない作品が多いというのと同じことなんですよ。確かに市場規模では日本の方が遥かに大きいのですが漫画の質ではもうそんなに差はありません。リービー氏のインタビューを読んで思ったのですが、たぶんリービー氏の言う「つまらないアメコミ」と増田氏や山形さんの言う「つまらないアメコミ」には大きな認識の差があると思います。

>ITOKさん

なんだかtanakahidetomi さんをはじめ他の人たちとなんだか話が噛み合わないと感じていたのですがその理由がやっと分かりました。みなさんが増田氏の増田史観しか問題にしていないのに対し私は増田氏の書いた「日本型ヒーローは世界を救う!」という本全体を問題にしていたからです。

私も増田史観を元に自分なりの史観を持つのはいいと思います。ですがそれはこの本の評価とは関係ありません。

私は増田史観云々ではなくこの「日本型ヒーローは世界を救う!」という本のことを語っているのです。正直言ってこの本はろくに事実検証もしておらず偏見や思い込みのみに頼って書いたトンデモ本です。私がアメコミ好きである事を抜きにしてもとても人様に薦められる本ではありません。増田氏のテーマは良いと言うのであればそのテーマのみを語ればいい訳で別にこの本自体を読む必要はありません。上の書評読むだけで十分です。

>アメコミが斜陽になる→縛りが緩くなる(“今では完全に >有名無実なものと化して”いる)→多様化がなされる >となれば増田氏の説の補強になるのではないでしょうか?

増田氏によればコミックスコード自体がアメコミの編集部の意図によって作られたもので、彼らはそのためにアメコミ市場が衰退するのをいとわなかった「らしい」wwですから、斜陽化したから規制を緩めたというのはおかしいですね。

commented by 松山 posted at 2006/04/22 22:07,id

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アメコミの場合、堺三保氏の記事の数字を使うなら、9割はスーパーヒーローものだという話ですので、9割程度は増田氏/レッシグ/リービー的な見方があてはまる世界で、残り1割以下が松山的なアメコミマンセー史観の称揚するレベルの高い作品ということになるのではないかと思います。さて、スタージョンの法則というものはございますが、その9割を念頭に書いている文に対して、その1割にふれていないことを根拠に、お話にならないほどまちがっていると言えるか、というのが結局のところここでの議論かと思われます。

一般論に対し、ああいうのもある、こういうのもある、と個別または少数の事例は常に挙げられます。しかしそれは一般論を否定できる材料にはなりません。せいぜいが、かなりおおざっぱな一般論だから注意しろ、という指摘に使える程度です。

9割に適用できる議論にはそれなりに価値があるのです。それがレベルの高い1割に当てはまらないからといって、捏造とか事実のねじまげとかいうことにはなりません。もちろん、9割なんかじゃなくて実はそのワンパターンで駄目なアメコミは2割くらいしかないのだ、となれば話は別でしょう。また、実はアメコミはすさまじい隆盛を迎えていて新しい才能が次々に出ており老若男女ともに通勤通学途上でアメコミをむさぼり読んでいるのだとなれば、それは増田説に対する大きな反論となります。でもそうではないように思います。

繰り返しますが増田説はおおむね正しいと考えます。特にリービー氏の述べる90年代半ばあたりはそうだったと思います。そこから逃れたもの、例外的な存在も確かにありますが、それは例外。

松山氏の個別の指摘は重要だとは思います。がそれはむしろ、なぜそうしたものがその他9割から逃れ得たのか、という考察の対象として興味深いものです。また特にコミックスコードが守られていなかった、というのが本当であれば、たとえば著作権をめぐるローレンス・レッシグの考察はかなりまちがっているということになりますので、かなり大きな波紋を呼ぶことになると思いますので、ソース等をご指摘いただければ幸いです。

結局の所松山氏の話を真に受けると、アメコミは実は著作権やコミックコードにしばられることのない自由闊達な創作環境が整っており、すばらしい多様性に富んだパターン化しない豊かな作品世界が大きく花開いているのである、ということになってしまいます。が、それは明らかに現実とはちがっているように思われます。それは山形だけの認識ではなく、増田、レッシグ、リービー、堺、各種の人々が大なり小なり述べていることです。だとすれば松山史観はどこかで変ではないか、何かを過大評価しているのではないか、と考えるのが自然ではないかと存じます。

commented by 山形 posted at 2006/04/22 20:19,id

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>松山さん

横レス失礼いたします。

1.大枠は納得できる。

2.細部はそのままでは使えない部分がある。

ということは共通認識としてあると思います。

そこから、

 細部を変えて使うのがよい

と導くことに対して、

 細部が駄目だから使えない

と主張するのでは矛盾が生じてしまいます。

主義主張に納得がいくのであれば、レポートを書き写す学生のように丸写しを考えずに、自分で書き換えればよろしいのではないですか?

ちょっと茶々をいれますがw、

 アメコミが斜陽になる→縛りが緩くなる(“今では完全に有名無実なものと化して”いる)→多様化がなされる

となれば増田氏の説の補強になるのではないでしょうか?

commented by ITOK posted at 2006/04/22 17:54,id

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すでに述べたように、瑣末な例を持ち出して一般的な認識をねじまげるのは感心しない手口だと思います。レッシグの認識(かれもFree Culture においてアメコミは死につつある、という認識を出しています)や先にあげたコミック関係者の認識そのものは、事実として否定しがたいものです。それを単なる無知として貶めることは可能ではありますが、以下の堺三保氏のアメコミ事情の解説を見ても、そんなにずれているとは思えません。

http://www.so-net.ne.jp/SF-Online/no6_19970818/special2.html

また、さっき上げたリービー氏のインタビューにもあるとおり、そうした「深い」アメコミは一部は日本のマンガの影響もあると考えられます。したがいまして「最近では云々」の部分は説得力はないと考えます。

したがいまして、ぼくは増田氏のアメコミ観は、ごく一般人の認識とさほどずれたものではないと考えます。ある程度の量が出ていれば、それなりに優れたモノやステレオタイプからずれたものは生じるでしょう。でもそれがかれのあの議論を否定する材料にはなりません。

それと、人間性云々とは……ここで「2chにありがちなヲタの性質」のコピペをしたい誘惑にかられますが、やめときますね。でも、世の中である程度強い主張を打ち出した書物はたいがいは松山殿の上げた四箇条にあてはまります。それを書いた人すべてがゴロツキやその細かい誤りを指摘するのは有益な作業ですが、それがすべて人格攻撃にまで堕してしまってはおしまいですよ。「アメコミをけなすやつはみんなろくでなしの人格破綻者だ!」が出発点にして結論では、あまりに希望がないではありませんか。

commented by 山形 posted at 2006/04/22 16:48,id

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> tanakahidetomi さん

史観が大事だと仰いますがその史観のために事実を捻じ曲げたり捏造したりするのは本末転倒ではないですか。

例えば韓国で「日本の植民地支配の不当性を訴える本」みたいなのが出版されたとします。その中身が明らかに事実関係を無視したものでありもしない日本人による蛮行が根拠になっていたらどう思いますか?「細部におかしい所があるけど、植民地支配が悪いことという主張は正しい。」と擁護するんですか?

>実際、アメコミが大勢において画一化して衰退しているの

>は事実でしょうから

現在のアメコミ業界を見るとそれも事実とは言えません。現在のアメコミでは多様化が進みヒーローもの以外のコミックも多数出版されています。メインであるヒーローものにしても単にヒーローが悪を倒す画一化した内容ではなく政治・哲学等をテーマにした複雑な内容のものも珍しいものではありません。そもそもコミックス・コードにしてもアメコミのクリエイター達は真面目に守る気は無かったんですよ。昔から厳密に適用すると違反になる作品もいっぱい出版してますし今では完全に有名無実なものと化しています。

余談ですがなんだかこの本は小林よしのりの「戦争論」に良く似ていると感じました。共通点として

・主義、主張には一応納得できる。しかし

・事実関係、理論展開に突っ込み所が多すぎ。

・やたらと攻撃的な論調で読んでて疲れる。

・一方を持ち上げる為に他方をとことん貶す。

個人的にこういう本は好きになれません。主義・主張以前に著者の人間性が疑わしいからです。

commented by 松山 posted at 2006/04/22 15:43,id

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>松山さん、横レスですけども、松山さんがあげたファンタスティック・フォーやJustice Society of Amaricaなどの存在も前者はアルバ萌えとmixiで公言してますw私も読んでる最中から簡単に気がつきました。集団ものだって知らない方が不思議なわけです。またアメコミだけでなく、増田氏が手塚と対比させている横山光輝のマンガも増田氏が書いているほど手塚マンガと対照的ではなく、むしろ初期の横光マンガが手塚の影響を濃厚に受けているのは調べなくても一目瞭然でしょう。そういう点はどんどん改善して、増田史観を事実上、自分のものに転換してしまう、というのが僕の立場です。物事をみる視点の転換として増田史観はきわめて刺激的という評価も変わりません。

 それと細部の積み上げでは評論は書けません。それは評論の性格からいって語義矛盾です。細部の前で全体をまとめる(歴史研究ならば)史観が必要です。史観自体が細部の調査に影響されて転換してしまうこともあるのももちろん正しいことも事実です。しかし史観がない細部の収集は評論ではありません。

前者のアルバ萌え(違)関連は、全称命題を否定するには一例で足りるというものでしてわりとどうしようもない反論の仕方です(実は僕もよく利用しますがwww)、これはたぶん多くの反証事例がでてくると思いますが、松山さんのご意見だと提起すべき命題自体が不在になるんですよ。これもよく知られているこの種の論法の問題だと思います。実際に松山さんも最終行で細部の反証をあげておきながら、増田本の中心メッセージを賛同しつつ、その命題自体を細部?として事実上否定するという議論の倒錯が行われてしまってますね。なぜこれを「議論の倒錯」というかは、松山さんの増田論への事例列挙の反論を究極まですすめられれば明らかです。

 実際、アメコミが大勢において画一化して衰退しているのは事実でしょうから(この事実にも無数の反証事例が存在しますよね? 笑)、それはどうしてでしょうね? 僕は増田さんの指摘もコード問題も「陰謀」と片付けるつもりはないんですよ。ここも朝鮮戦争なんとかという陰謀の部分で細部反証していくか、コードの存在を積極的に重視するかの違いでしょうけれども。

経済学の比喩で申し訳ないんですが、信用割り当理論や情報の非対称性の理論が先行して存在しない世界にいきなりふってきたヴェルナーみたいなもんなんですよ、増田本はw

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/22 11:00,id

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>山形さん

アラン・ムーアやフランク・ミラー等を例に出さなくても増田氏のアメコミ観が実際のアメコミと大きく異なっているのは明白です。

アメコミには集団ヒーローが存在しないと書いてありますが1941年にはすでに単独だったヒーロー達がチームを組む「Justice Society of Amarica」が創刊され、1961年には独自の集団ヒーローもの「Fantastic Four」も誕生しておりアメコミに集団ヒーローが存在しないというのは大嘘です。

また、増田氏はアメコミ独自の要素である「クロスオーバー」の概念を無視しています(というか知らないんでしょうけど)。アメコミでは出版社ごとに独自の世界観(ユニバース)を持っておりその中に自社のキャラクター達がごちゃ混ぜに共存しています(スーパーロボット大戦の世界を想像してもらえれば分かると思う)。スーパーマンとバットマンが出会って共闘したり、対立したりといったことは日常茶飯事。何十何百のヒーローや悪役が交流している訳ですからその人間関係の複雑さはドラゴンボールやセーラームーンなんかの比ではありません。

アメコミではヒーロー、悪役、脇役とポジションが固定されている、というのも間違いですね。アメコミでは脇役であれ悪役であれ人気のあるキャラクターは優遇されます。スパイダーマンの悪役として登場したパニッシャーは今では完全にスパイダーマンから独立して一人のヒーローになっていますし、X-MENの主役格の一人であるウルヴァリンも元々はハルクの敵キャラでした。

アメコミのヒーローはみんなスーパーマンの変形、というのは間違いというか正直よく意味が分かりませんでした。特に「スパイダーマンは体がグニャグニャになるのが嫌でヒーローになったスーパーマン」って一体?

一番読んでて「はぁ?」と思ったのは「コミックス・コードは朝鮮戦争の敗北を隠し国民に勧善懲悪(アメリカの正義)を

徹底させるためのアメコミ編集部による陰謀」という所。これはもうユダヤ陰謀論並のトンデモ陰謀論です。よく読んでもらえば分かりますが根拠は「コミックス・コードには悪役に関する条項が多い。」だけで(しかもその条項の詳細は一部しか書いていない)それ以外は何もありません。全部増田氏の妄想です。

突っ込み所は他にも山のようにありますがひとまずこのくらいにして、アメコミの質が低いかどうかは別にして増田氏のアメコミへの突っ込みは完全に的外れであるとしかいいようがありません。

>tanakahidetomiさん

アメコミに関する事等の突っ込み所はあくまで細部に過ぎないとおっしゃいますが、そういった細部の検証の積み重ねから最終的な結論を導き出すのが評論ではないでしょうか。

どんなに素晴らしい主張でもその主張を出すまでのプロセスがデタラメでは評論として失格だと思います。

私も増田氏の「エリート社会否定」、「競争原理主義肯定」等の「主張」は評価しますがこの「日本型ヒーローは世界を救う!」という本自体はとても評価することはできません。

commented by 松山 posted at 2006/04/22 05:04,id

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>山形さん。このリービー氏の発言は経済学のネタの宝庫ですね。旧来のアメコミ専門店がサーチ・コストの問題に直面していたこと、またアメリカの出版流通が非再販制なので書店が非常に強い交渉力を有していることがわかりますね。基本的に価格割引が前提でしょうから堀江さんがスピーチの中で本の初期価格設定の割高なのを取次・書店マージンの比率の高さにしてますが、実際には書店のマージンは割引前提にすればそれほど高くはないかもしれません。やはり(独占的競争の応用問題とすれば)アメコミが売れない、利益が出ないのはやはり質がよろしくないからだということになるでしょうね。

>Baatarismさん、なるほどその解釈でしたら基本的に賛成です。ただエリート社会否定=大衆中心社会賞賛、というよりも僕の個人的な用語法では、「ちまちま性社会礼賛」を選びますw

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/21 00:11,id

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>あまり日本vsアメリカという対比には関心がないんです。

僕の印象では、一見アメリカvs日本というように見えるけど、その根底にあるのはエリート否定論じゃないかなと思うんですよ。

日本は一般国民は優れているがエリートがダメだと欧米からよく言われますが、増田氏はそのような見方に対して「これでいいのだ」(笑)と言ってるような気がするんですよね。

そのように考えると、増田氏はマンガ・アニメ論を通して自由競争賞賛(その裏返しとしての政府による統制の批判)と大衆中心社会賞賛(その裏返しであるエリート社会否定)を語っているわけで、これはどちらも見落とすべきではない視点だと思います。

commented by Baatarism posted at 2006/04/20 10:50,id

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ぼくは著者のアメコミ観がそんなに変なものだとは思いません。アラン・ムーア等がアメコミでそんなにメジャーかといえば、そんなことはまったくありません。マニアだけの世界でしょう。一般的なアメコミ観は、著者の記述と大きくずれたものではないと考えます。

傍証として、ローレンス・レッシグも、日本のコミケの世界とアメコミを対比させるにあたって「アメコミはここ数十年にわたり men in tights の世界しかなかった(それに対して日本のマンガ文化は実に豊ですごい)」と述べています。また、以下のところでアメコミの一般的な認識も読めます。

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00105/contents/012.htm

ワンパターンなストーリーとキャラで飽きられて市場衰退、という認識がここでも(しかもアメリカのコミック関係者によって)提示されています。したがいまして、この認識に大きな問題はありません。

マニアしかしらない先鋭的な作品を根拠に、大衆的な受容をあれこれするのは、まわりが見えなくなる典型的なバカなおたくの症例でしょう。

commented by 山形 posted at 2006/04/20 10:37,id

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僕の書評をみていただければわかりますが、あまり日本vsアメリカという対比には関心がないんです。むしろ戦後のマンガ史を競争市場の観点からとらえ、従来の特定分野への特定資源の投入(=手塚治虫+ディズニーの発展としての戦後マンガ・アニメ史観)というべき擬似開発主義史観へのアンチテーゼとして評価したいな、と思っているのですよ。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/19 18:30,id

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著者が本当に言いたかったことは、後半で繰り返し語られる、大衆にステレオタイプを与えるだけの欧米知識人とそれに迎合する日本知識人への批判だと思うのですが、アメコミ批判が根拠レスだと、この部分の論拠が崩れてしまうのではないでしょうか?

commented by Baatarism posted at 2006/04/19 18:16,id

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ITOKさん、まさにその方向性がこの本の有効利用だと思います。僕も最初、立ち読みした印象は、ただのおっさん(=ここまでは僕も同じwwww)が書いた日本万歳+アメリカだめ論、みたいなものだったのですが、我慢してw読んで行ったら、ああ、これは『高度成長』と表裏一体の本なんだ、文化は競争原理とそりがあわない、とかいまでもわけわかめなこといってる人たちは一読汁!と思いました。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/19 11:00,id

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どうせ突っ込むなら“具体的な突っ込み”をみんなでやって修正していったら細部にも問題がなくなるのではないか,などと考えています。

主題と関係ないところでの暴走が多いので

例えば日本のアニメは思想を語っているというところで,日本製のアニメは体を動かさずに口をパクパクさせているだけで,技術的に見るべきものはないという箇所(P.222)に

*)日本のアニメはセルの枚数が少ないことから出発して独自の躍動感を表現することに成功し,また止め絵による劇的な演出を確立することが出来た。

 そうした演出技法は,日本アニメ独自の美学を構築するのみならず,日本独特の主題を膨らませることに貢献している。

という注を付けるといったことを集積していけば暴走の修正ができるかなと思っています。

>Zephyranthesさん

この本は,間違っている箇所がそこでの主張に影響するか(じぶんならどういう考え方になるか),どう修正するかなどを考えて,自分の考え方の点検整備をするという使い方もできます。

それが結構面白いです。

commented by ITOK posted at 2006/04/19 01:53,id

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Zephyranthesさん、僕はアメリカンコミックスの増田氏の評価に対する批判はアマゾン書評はじめいくつか目にして知っていますし、細部ではほかにも突っ込みどころ満載でしょう。増田氏の経済本でもおおむねそうです。『高度経済成長は復活する』も基本ラインは禿げしく同意、しかし細部は突っ込みネタ満載ですから。しかし書評でも書きましたが、彼の競争市場史観という基本ラインはこれほど強い主張はみたことがなく評価すべきだ、というのが私の立場です。まあ、真理は細部に宿るというZephyranthesさん見方も別にありかもしれませんが、具体的な突っ込みどころをぜひ開陳してください、そのほうが私にも参考になりますので。お書きになったのではどこらへんがと学会いきかわかりませんから。

commented by tanakahidetomi posted at 2006/04/18 23:49,id

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 立ち読みしてみたのですがお話になりませんでした。

 筆者の昨今のアメリカンコミックスに対する偏見と無理解は失笑もので、そんなものは20年以上前に通過しています。

 彼の捉え方は立場を変えるのであれば「二本の漫画やアニメは目が大きい女の子が巨大なロボットに乗って戦うものしかない」と決め付けているような代物。

 せいぜい「と学会」辺りにお笑いを提供するのが関の山ですね。

commented by Zephyranthes posted at 2006/04/18 23:38,id

コメント

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_ Economics Lovers Liveの遺跡【発掘中】 - 2006/05/24 10:59

 アメコミ論戦関係でコメント欄が量が多すぎて田中の携帯で読めなくなりまして、仕方がなく本文に移植しましたが、書式がまずく読みにくいためITOKさんのご好意で修正したものができました。以下にありますのでご参照ください。

ITOKさん、お手数かけましてありがとうございました。m( )m

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