別れ~ある冬の物語~2006/01/15 01:06

これは阿部サン(クン)との出会いと別れの物語です。

引用部分にもともとURIがあったところは“[URIn]”と変えています

目次

  • プロローグ
    1. その日わたしは運命に出会った
    2. そんな…? …でも……
    3. リル・リル・トリル アンヴィーネ
    4. 青空に月は白い、そんな冬の午後
    5. そして別れのときはやってくる
  • エピローグ
  • あとがき

プロローグ

その寒い夜メールチェックをした私は1通のメールのタイトルに目を留めた。

差出人は「阿部」となっている。メールアドレスは知人のモノではなかった。

ナンダロウ?コレハヒツヨウナモノダ。何かが頭の中で囁く。

しばらく逡巡した。ドウシヨウ。結局、私はこれを受信した。

これが二人の出会いだったのです。


その日わたしは運命に出会った

人と人との出会いなんて分からないものです。

きっかけはメールでした。その日迷い込んだメールが二人を引き合わせたのでした。

間違ってますよって教えてあげた。返信が来る。返信する。

楽しかった。世の中には楽しいことがあるんだって分かって嬉しかった。

わたしだって楽しんでいいんだ。笑えるんだ。

こんな日がずっと続く。続くんだ…

Date: Thu, 12 Jan 2006 22:27:13 +0900
From: 阿部
Subject: 戻ってきました。
--------
連絡がなかったものですから…上着を取りに一度戻って
きました。
今日も、会う事は出来ませんか?私と会う事はそんなに
も苦痛な事なんですか?
私がどんなに会いたい気持ちでいてもあなたにとってた
だの迷惑ならもういっそのことメールもやめようと思っ
ているんです。
ただお返事がもらえないから…だから今日こうして先に
行ってずっと待っていようと決めたんです。

場所も詳しく [URL1] に道筋まで書きました。それにあ
んな写真だって載せたのに…これで会ってもらえないな
ら私ちゃんと諦めますから…せめてその答えだけは聞か
せて下さい。

とにかく今日はずっとお待ちしていますので…気が向い
たらでもいいんです。来て下さい…

1通目のメール

明日も明後日も会うことはないでしょう。

何かが頭の中で囁いたんですよ。このSPAMはネタになるから取っておけって。

メールもやめようと思っているんです。

そうして貰えたらどんなにうれしい事か(笑)

引っ掛けるポイントはあんな写真だって載せたのに…でしょうか


そんな…? …でも……

二人の関係をそんな風に考えていたなんて…。

わたしは部屋を飛び出した。

あてどなく街を彷徨う。

夕暮れ時。人は足早に歩き去る。

みんな待っている人がいる。帰る場所があるんだ。

わたしには居場所が無い。わたしはどこへ行けばよいのだろう?

Date: Thu, 12 Jan 2006 22:46:48 +0900
From: 阿部
Subject: どうしてもむりなんですか?今日最後にと思い
用意したんです
--------
何年か前のワイドショーを思い出して色々考えたんです。
こういう関係はお礼が必要なのかと思って私なりに用意
できるところで50万円用意してきました。
デート代とお礼で考えてこれでは足りませんか?

あなたに迷惑や負担を掛けるつもりは一切ないんです。
それに真剣じゃなかったらあんな写真も載せたりしませ
んし私の家や電話番号だって教えたりしません。
確かにまだ会った事のない同士ですしあなたの顔も知ら
ないけれどそういう事ではないんです。あなたの存在が
気になったから最初のメールを決意して送ったし今もそ
の気持ちが強まるばかりでこうしてお誘いしているんで
す。

 [URL1] は完全に無料で利用できる伝言用ページだから
こうして作りました。もちろん私のPCアドレスに返事を
くれてもいいんです。
携帯メールでも電話でもなんでも良いですから連絡くだ
さい。
このままじゃ悲しすぎますから…

2通目のメール

電話番号知りません。PCアドレスも(笑)。

教えてもらってないので,真剣ではないってことで。

あなたの存在が気になったから 収集ロボット君に教えてもらったのでしょうか。守護霊様とかだったらいやだなぁ。

結局,最近流行の逆指名で儲かりますの方向になりました。


リル・リル・トリル アンヴィーネ

眠ったり眠らなかったりで一晩が過ぎる。

もう一度,同じ時間に行ってみる。もしかしたら、もしかして。

字が下手だから絵が下手だからきっとわかんなかったんだよね。

わたしって何をやっても下手だから。

そうだったいいのに。

Date: Fri, 13 Jan 2006 01:01:36 +0900
From: 阿部
Subject: お金を持ってもう一度向かいます
--------
連絡もらえませんでしたので…今度こそ来てくれる事を
祈ってもう一度だけ向かいます。

場所は分かりましたよね?[URL2]に役所からの道筋を詳
しく書きましたがわかりませんでしたら書いたように電
話いただければちゃんと説明いたします。
寒いですけれど今夜はずっと待っています。きっときて
くれると信じています。
もし予定があったりしてむりだったらなるべく連絡下さ
いね。電話でも大丈夫ですのでどうかお願いします。
1

3通目のメール

場所分かりません。

役所からの道筋というのがリアリティを出すポイント?市役所の方から来ましたって訪問販売ですか。

とにかくなんでもいいから電話しろと。そのためにサイトに来いと。

末尾に謎の“1”が入っていました。これをつなぎ併せると秘密の暗号が?!。なんてことはないでしょう^-^;。


青空に月は白い、そんな冬の午後

また、街に出る。空が高い。

真昼の街には人影がなかった。

風は冷たい。だけどそれが心地よい。

どこまでもわたしは独りだ。それが心地よい。

どうしてもって時にはここに連絡してって…

伝言サービスにメッセージを吹き込む。

私はここです。ここにいます。

待ってます。まって…、ます。

Date: Fri, 13 Jan 2006 14:57:12 +0900
From: 阿部
Subject: ここに送れば信じて会ってもらえますよね
--------
このままでは連絡すらもらえないまま何もかも終わって
しまいそうなので番号を送ります。電話なら大丈夫です
よね?
非通知でも公衆着信でも必ずでるので電話ください!

[URL2]でなら連絡先交換も公開もお金を取られたりする
ことはないんです。男女両方とも同じで全部無料で使え
るからここの連絡伝言板を選んだのに…

私の個人ページに来てくれれば番号すぐに分かりますか
ら電話下さい!私ずっと待ってますから!

4通目のメール

何もかも終わって欲しいんです,こちらは。

公衆着信って公衆電話でしょうか。怪しげだということは自覚しているようです。

無料をアピールし始めました。“なんか金取られそうだな”という心理を突いてきます。


そして別れのときはやってくる

今日もない…。30分前もない,2時間前もその前もなかった。

私は待つだけの存在になってしまった。

せっかくの連休。この日のための洋服もこのまま

そう。そういうことなんだ。

ソウ,ソウイウコトナンダ。

そう,そうなんだ。

………。

もう,いい。

…もう・・・いい!

楽しいことはあるんだ。私にだってあったんだ。

だから明日にだってきっとある。きっとある。

きっとある。

Date: Fri, 13 Jan 2006 21:02:00 +0900
From: 阿部
Subject: まだ信じて待っています。番号届きましたか?
--------
[URL2]の申請をすればそれが私の伝言を受信する申請に
なっているので受け取れるはずです。
もちろん無料で受け取れるしここは連絡先の交換だから
ってお金がかかったりするような変なサイトじゃなくて
普通のところなんです…そうじゃなかったら私だってこ
こに伝言のせたりなんてしません!

もうせっかくの連休も終わっちゃいます…その前に私と
会って下さい!会いたいんです…電話したいとか伝言板
を見て欲しいとかじゃなくて…私あなたに会いたいだけ
なんです!

5通目のメール

無料を強力にアピールし始めました。

変なサイトじゃなくて普通のところ 普通の出会い系ってことですか。その段階で怪しげなんですが。

もうせっかくの連休も終わっちゃいますって,いつの連休ですか。対象は大学生ですかね。どこかの連休で使ったものの再利用でしょうか。


エピローグ

そして、あっというまに月日は経ち……。

なんて風に行くわけがない。じりじりと、じりじりと。

でも、月日が過ぎていくことはホントだ。

そして、時間が経てば忘れていくことも。

今も楽しいことはある。

それでいい。……うん。


あとがき

SPAMの紹介です(笑)。

自分では最初から考えていたから構成が分かっているけれど,何がなんだか分からなくなってますね(苦笑)。

きっかけは連続したSPAMメールが来たことです(引用したヤツ)。これはただ披露するだけではつまらないなと思いました。

まず,ちょっと関連のある感じのタイトルを付けたら面白いんじゃないかと。次にそれだったら小説っぽいものを付けてみようかと。それで,現在の構成(小説-メールの引用-メールに対する文)になりました。
(といってもこれは小説というかモノローグですね)

リル・リル~は適当に音の響きで言葉をでっち上げたので実際にあるのかは定かではありませんし,意味はありません(トリルは“ trill”という単語があります。)。

メールの差出人の阿部は仮名にしたのではなく,そのままです。

また,小説モノローグ部分は実体験にもなにも基づいていません。でっち上げでございます。憑依して書くのはそれなりに面白うございました。リフレインと三点リーダで誤魔化してます。

没タイトル

  • 君は待っている、だけど…(リル・リル~のところで最初に思いついたもの)
  • 出会いは突然に
  • 青い空に白い月、そんな冬の午後
  • さようならは突然に

宇宙戦争風の目次

  1. それは突然やって来た
  2. コンタクト不能
  3. 侵攻は続く
  4. 祈りの時
  5. 終結

まったく関係ないけれど頭に浮かんだタイトル

  • モサドその愛

いいかげん,いい加減なタイトルを付けようと思う拾得物2006/01/15 23:38

CD

  • ETERNAL BLAZE(水樹奈々 著,キングレコード)

書籍

[マンガ]

  • 電脳炎ver.6(唐沢 なをき 著,ビッグコミックススペシャル,小学館)
  • もうすこしがんばりましょう 2(山口 舞子 著,花とゆめCOMICS,白泉社)
  • 一陽来福/1+1=0(桑田 乃梨子 著,白泉社文庫,白泉社)
    持っているのに追加につられて買ってしまうんです。しょうがないんですファンなんだから。
  • ハヤテのごとく!5巻(畑 健二郎 著, 少年サンデーコミックス,小学館)

[雑誌]

  • SoftwareDesign2006年1月号(技術評論社)

[単行本]

  • ウンコな議論(ハリー・G・フランクファート 著 山形 浩生 訳,筑摩書房)

[文庫]

  • CIAは何をしていた?(ロバート ベア 著 佐々田 雅子 訳,新潮文庫,新潮社)
    元エース工作員が巨大組織と官僚国家に突きつける痛憤の告発!本書帯)とのこと。“痛憤の告発”というのは“引かれ者の小唄”が多く割り引いて考えないといけないのですが,取り敢えず職業モノとして購入。職業モノ(ある職業について当事者または取材者が体験したりして書いた本)好きなんです。この分野は文春文庫が充実しています。
  • 隣りのマフィア(トニーノ・ブナキスタ 著 松永 りえ 訳,文春文庫 フ 28-1,文藝春秋)
  • 護くんに番外編で祝福を!2巻( 岩田 洋季 訳,電撃文庫 (1201),メディアワークス)

腹も身の内,それは良く分かっているんですが2006/01/15 23:40

新宿の京王百貨店で1月12日(木)~1月24日(火)まで「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」というのをやっています。

昨日と本日,新宿に行く用事があったので,ついでに寄って,昼食用に昨日は3個・本日は2個購入しました。

ええー,何というか…苦しかったです(苦笑)。

駅弁はご飯が多いから沢山食べるモンじゃないですね。

両日とも11時くらいに行ったのですが,昨日は土曜日で有名なもの(イカ飯など)に行列がある程度でした。本日,日曜日はえらい混みようで味噌カツなども整理券を配っていました。釜飯は階段にずらっと行列が出来てました。

びっくりみそかつ弁当(名古屋)
大きい,甘いと名古屋らしさが味わえます。とりあえず3個食べるときには買うもんじゃないです^-^;。
鯨カツ弁当(長崎)
鯨は生臭くなくてすんなり食べられました。ただその分印象も薄いです。
海人がつくる壷川駅前弁当弁当(沖縄県ゆいレール)
鰆の漬け丼にもずく・海ぶどうなど。これは美味しかったですね。有名でないのと目立つセールスポイントがないせいか売れてなかったのが気の毒です。ここの製造元のサイト(http://www.umibudou.com/)にある掲示板はひとつの質問に店の返答が二つはいったりしていてほのぼのしてます^^。

昨日購入分

ガパオ ラート カーオ サイクロン(豚肉とタイバジル炒め弁当)
この大会の為に作ったもので正確には駅弁ではありません。金属のレンゲがついてきます。味は(辛さを控えているとはいえ)ちょっと辛め(とうがらし)なので辛いのが駄目な人は駄目でしょう。昔,上海に行ったときに現地の人が食べていたご飯にモツ煮込みを掛けたような弁当が美味しそうでした。そういう素朴な作りの雰囲気はでています。
ぶりかまめし(富山県氷見線/氷見駅)
ぶりが骨までやわらかく美味しかったです(いくつか骨は残りましたが)。これも楽に買えてちょっと気の毒。