レッシグたんを見に行ってきましたその2 その他の面白かった講演2006/03/29 01:47

セッション1

“Creative Archive” ポール・ゲルハート(英国放送協会ディレクター)

概要
  • TVやラジオ番組で使用して問題ないものを検索できる
  • ダウンロードできる
  • 限り改変・再利用できる
  • 非商用に限り他の人と共有できる
なぜ行うのか
  • 公開は受信料を払っている人への義務
  • 一般の要望(若者支援:インターネットを利用する若者のある程度は何らかのクリエイターである。VJ(Video Jockey)の用途)
  • 政府による英国放送協会の見直し時期である
  • 多量の動画・音声・静止画のデータを持っている
題材
  • 対象はニュースや事実を題材にした番組はすぐに公開
  • コメディ・ドラマ・子供番組などは一定期間をおいて公開(期間はコンテンツの利用価値による→価値の高いものは公開までの期間が長くなる)
目標達成の為の5つのKey Step
STEP1 Meet a strategic need
戦略的ニーズと合致させる
STEP2 Commit to tranceparency

Pilot期間の間,成功と失敗を追跡

  • 18ヶ月のpilot
  • コミュニケーション用のサイトを準備
STEP3 Be open to consultation
CA ユーザライセンスのドラフトの公開など
STEP4 Set clear boundaries

境界線を明確にする

  • ユーザ登録を義務付ける
  • ニュース・事実に関するものに限る
  • テレビに比べて解像度を落とす
  • 電子透かしをいれる
STEP5 Share everything
ライセンスグループの立ち上げ。全国的なCAライセンスの立ち上げ。
ユーザライセンス
  • view/edit/mmodify/adapt/translate
  • 国内に限る(視聴者に対するもの。国外は相互運用で)
  • 非商用利用に限る
  • BBCの権利が強すぎないかはPilot期間に確かめられる
技術的側面
  • 提供サイトはbbs.co.ukに統一する
  • フォーマットはWM9,MPEG1,Quicktime,MP3
  • 要登録
  • 利用者はIPにより制限する(UKのみ。視聴者へのサービスであるから。他国へはディストリビュータとの提携で)
Public Value Testの枠組み(2つの側面から)
  • 公共価値の判定(Public Value Assessment)
  • 市場への影響調査(Market Imapct Assessment)

    +の側面
    創作物が増える
    -の側面
    民放を圧迫する

セッション2

「デジタル権利ライフサイクル管理の提案」 曽根原 登(国立情報学研究所教授)

冗談も多い,面白い講演でした。

著作権管理を動的に行おうという提案です。

単位
単位として年の意味はない(何年までは保護するといった)。アクセスされた回数・頻度の方がよい。
状態
コモンズ-商用 間を自由に状態遷移させる
ライフサイクル
発生時は共有状態。アクセスが増えるにつれ商用状態(非完全共有)に遷移し,アクセス数の減少とともに共有状態へ戻ってゆく。
有用性
  • 自由度が高い
  • 著作権の処理コストの低下
  • インセンティブ:評判が高まれば自由に商用にのる
実装例
文章

伏字にしても文章の大体の意味がつかめることを利用する。

初期状態(発生時=アクセス数が0)
全文が読める
アクセス数の若干の増加
少し伏字(■)が増える
商用状態(アクセス数の多大なる増加)
伏字がかなり多くなる。購入すると完全な文章が読める。
アクセス数若干の減少
伏字が減る
アクセス数が少ない状態(≒初期状態)
全文が読める